1,日常

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3 「せんぱい忘れてませんか? 俺元から授業サボる様な不良ですよ?」 「堂々と言うことじゃないと思うけど・・・もちろん覚えているよ」  入学式の日、新三年生と喧嘩していた千早くんを止めたの、俺だからね。 「なら良かったです」  曖昧な笑みを浮かべる俺に、千早くんは満足そうに微笑んだ。 「執行役員、来るのが遅いぞ」  現場の空き教室に到着すると、肩に白い鳥を乗せた、同期の歩くんが待っていた。  肩に乗る鳥は、俺が飼育している3匹の内の1匹、オオバタンのムーだ。偵察係として、活用している。 「すみません、遅れました。戻って来い」 「クアー!」 「お疲れ様」  ムーの首に掛けてあるカメラをポケットにしまって、肩に乗せる。  今回は被害に遭いそうな生徒から事前に許可を貰って、ムー通して風紀委員がリアルタイムで監視を行っていた。  直接被害に遭う前に助けられたとは思うけど、念の為歩くんに尋ねる。 「歩くん、被害の方は大丈夫ですか?」 「さぁな。ことが始まる前に強姦魔は追い払えたが、信頼していた部活の先輩が主犯だったらしく、ずっとあの調子だ」 「・・・・・・」  歩くんが顎で指した方に視線を向けると、茶髪の生徒が壁に寄りかかって蹲っていた。 「なるほど。それは災難でしたね」 「他人行儀だな」 「人聞きの悪い」  ギロリと睨まれて、思わず苦笑いを浮かべる。  仲の良かった友達や先輩が、なんてことは、仕事柄よく見てきた。  赤の他人が何か言った所で、余計に頭を混乱させてしまうだけだ。  今は気持ちを整理する為にも、そっとしておいてあげた方が良いだろう。
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