1,日常

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4  歩くんから報告を受けて、被害者の元へ向かう。  千早くんは喧嘩が出来なくて落胆した様子だったけど――大きな被害が無くて、本当に良かった。 「こんにちは、俺は執行役員の神界 蓮です」 「・・・・・・」  被害者と目線が合うように屈んで、笑顔を作る。  チラリと視線を向けてはくれたけど、すぐに俯いてしまった。 「うーん。今はあまりお話したくないかな?」 「煩い・・・」 「ごめんね。でも、ここにずっと留まらせる訳にもいかないんだ」 「・・・・・・」  事件の通報を受けて向かう場所は、大抵過去に通報を受けたことのある場所だった。  このまま此処に座っていたら、また別の生徒がやって来て、被害に遭う可能性だってある。 「触られるのが嫌じゃなかったら、俺が運んであげるよ?」 「ッ!? や、辞めてください! 自分で歩けます!」  両手を広げて、抱っこしてあげようと思ったら、顔を真っ赤にして立ち上がった。  俺に抱っこされるの、そんなに嫌なのかね。 「いや、高校生で抱っこはキツいだろ」 「えー、俺は良い案だと思ったんだけどなぁ・・・冗談だよ」  少し暗い空気を変えようと思っただけなのに――歩くんにドン引きした様な顔で見られた。
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