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被害者の生徒を寮に届けて、歩くんと千早くんと風紀室に向かう。
そういえば――委員長から生徒会室に書類を取りに行くよう、頼まれていたんだった。
「歩先輩、もう少し離れて歩いてくれませんか?」
「あぁ? 嫌ならお前が離れれば良いだろ」
「俺は蓮先輩から離れたくないんで。歩先輩普通に邪魔ですよ」
「クソ生意気な後輩だな」
二人に声を掛けて、生徒会室に向かおうと思っていたけど、俺を挟んで言い合いをしていた。
まずは、こっちの喧嘩を止めるのが先かな。
「こらこら。同じ風紀委員なんだから、仲良くしないとダメでしょ」
「おい、最初にふっかけてきたのは――」
「はーい! 性悪歩先輩と仲良くします!」
「お前ッ・・・・・・」
歩くんの言葉を遮って、千早くんが元気良く右手を挙げる。
あだ名を付ける程仲良くなったなんて、先輩嬉しいです。
「それは良かった。性悪歩くん、俺は少し用事があるから、千早くんは任せたよ」
「後で覚悟しとけよ?」
「あはは、素敵なあだ名を付けてもらえて、良かったね」
「・・・・・・」
これ以上弄ったら、流石に怒っちゃうかな。
鋭い目つきで睨む歩くんに軽く手を振って、俺は生徒会室に向かった。
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