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「ともだち…はは、…そうだよな。
うん、まあそれでいいや。
では、改めてよろしく頼む」
彼が私に向けた苦笑いは、どこか寂しく、それでいて、どこか慈愛に満ちている。
「ねえ、あんた作家なんだからさ、何か書いてみたら思い出すんじゃない?
例えばTLとかどうよ。
新人ナースがイケメンスーパー外科医と、超絶技巧イケメンレントゲン技師と、お忍び入院のイケメンアイドルに愛される逆ハーものとか。
わっ、これ凄くいいネタじゃない?」
「逆ハーだと?!逆ハーはこの世で最もあり得ない!大体、高IQ団体の記念パーティでもあるまいに、何で一般人の中にそんな10000人に1人の逸材が何人も混ざってるんだ。
しかもモデル集団かと思うほどのイケメン率。
ありえない、少年探偵の事件遭遇率ぐらいありえないからな!」
「そ、それを言うならハーレムだって同じじゃない!美少女率半端ないから。モデルまみれか!
あと、女子が積極的すぎ!黙って厨二台詞吐いてりゃ向こうから美少女が寄ってくる世界線なんてナッシング!
そもそも、男どんだけ怠惰なの?雌を得るための努力をしろ!
鳥や昆虫たちの求婚行動を見習え!
告白して振られて恥を掻け!
さらにその後、己を磨け!」
「「何を〜〜〜」」
俄かに互いの交わす視線の間に、青い火花が飛び散った。
「男は繊細なんだよっ」
「女だって繊細じゃわいっ」
だだっ広い夜の病院の屋上に、賑やかな二人の声が響く。
そんな二人の騒がしさに、たまたま下界を覗いた月の女神セレーネが、にっこり笑って愛の祝福を与えた…
かも知れない。
《了》
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