*キャバ*Gさん*2*

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*キャバ*Gさん*2*

 …そう。  そしてGさんは、ある意味モンスターなのだった。  とっても良い方なのだが、酔っ払うと入れ歯を外してロックグラスに突っ込んで、ウィスキーだのブランデーだのを注ぎ、それを一気飲みして見せろ、と言い始める。  はじめは冗談で終わらせようと、みんな「やだー、何言ってるんですかー!Gさんおもしろーい」などと、しなを作ってやり過ごそうとする。  しかし、Gさんは酔っ払うと面倒くさい。  「何を言うか!そのくらい出来るだろう!わしに感謝していないのか!」  感謝をしていることと、入れ歯ロック一気はどう考えても結びつかないけれど、Gさんにとっては、今回はそれが忠誠の証なのだと言わんばかり。  さすがにごめんなのだが??と、皆がソファの背もたれに体を寄せる。  そのようなことがあるたびに手をあげて、例えばその入れ歯ロックグラスだとか、そう言ったものを引き受けてくれるのが、なんとそのBちゃんなのだ。  「これを一気飲みしたら、ご褒美にもう一本シャンパンを卸して下さいね」  Bちゃんは腰に手をあてて、入れ歯が自分の上唇にぶつかって触れるのも気にとめず、簡単にロックグラスを空にしてしまう。  きっとGさんは、Bちゃんにも場内を入れざるを得ないのだと思う。  酔っ払った自分の取る行為で、場が白けたり店を追い出されたりしないためにはBちゃんの存在が必要なのだろう。  それでも、Bちゃんがいなかったら、誰が自分のバカげた行為に手をあげて挑んで来てくれるのか、知りたくなってしまったのだと思う。  ある日、Gさんは、Bちゃんを場内指名しなかった。  そんなGさんの卓につきたいキャストが果たしているだろうか?  
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