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「お、黄倉くん…!」
「ん?」
あたしは手を止めて思い切って彼の名前を呼んでみた。
心臓がばくばくと音をたてている。
よ、呼んでしまった・・・!!
自分で彼を呼んでおきながら混乱してしまう。
どうすればいいのだろう。
簡単に考えてしまったものの、結構ドキドキすることに今気づいてしまったとは…。
告白ってこんなにドキドキするものなのか。
こんなにドキドキするのは高いところに上った時ぐらいだ。
まるで全身が心臓になったみたい。
この高鳴りが彼に聞こえないか心配である。
あたしは、心臓の音を隠すように大きく深呼吸した。
「あ、あのさ、実は…あたしね…」
―――あたし、黄倉くんのことが…
「あー! もうダメだ!!」
すき
なんで
す
けど…
?
既に喉まで出でていたその言葉を黄倉くんが遮った。
何事かと思い、きょとんとした表情で彼を見つめる。
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