七月

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七月

 真っ青な空と、とても涼しい風が吹く夏に、僕は失恋した。 「まだ仲良くないから、ごめんね」  僕の意中の相手は、僕の告白を聞いてくるりと踵を返して屋上から去って行った。  高校一年の、夏休みに入る一歩手前の爽やかな季節。僕の青春と初恋は無残にも砕け散ったのだった。    木ノ崎さんは、可憐な乙女だった。   汗と泥にまみれた中学校から卒業して、数ヶ月。一ヶ月とちょっと見ないだけだった僕の同い年達はすっかり垢抜けてしまっていた。新品の大人びた制服に身を包んだクラスメイトは誰もが大人に見えた。 「まだこのままで良いや」と思っていた坊主頭を撫でさすり、みんなの襟足のある髪型を羨ましく見ていた。遅めの成長期で、背丈ばかりが大きくなっていた。  
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