七月

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 坊主が恥ずかしい。みんなが羨ましい。  その羞恥と羨望が、自虐に繋がった。背丈ばっかり大きくて、あとは素朴な顔面と、坊主頭。  ここで変に髪の毛を伸ばしても、垢抜けとは遠くなってしまうだろう。  気がついたらすっかり同級生の間で「いじられキャラ」としてのキャラクターが設定された。されてしまった。まぁ、そこまで嫌な思いはしていないけれど。 「おにぎりくん!」  女子からも親しみやすいらしく、そこいらの普通の男子よりかは接点が増えた。 「おにぎりくんの頭って、ジョリジョリしてて気持ちいいね!」  気軽に触れられるものだから、坊主頭も悪くないもんだ。女子の小さな手に触れられる感覚にたまらなくドギマギしてしまった。思春期の真っ只中の男子なんて、みんなこんなものだ。  女子が僕の頭に触れるたび、男子の燃えるような視線を感じた。そこに優越感を感じなかったといえば、嘘になる。  それが恋愛感情よりもマスコットを愛でるような感情があっても、だ。
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