補習3日目

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「せんせ、俺......この補習ご褒美がないと頑張れないかも。」 今日もまた始まるこいつとの補習。 高校生にもなって、そんな子供じみたことを言う彼は、未だに解のない問に答えを見出そうとしているようだった。 机に腰掛けて上目でこちらを真っ直ぐと見る彼の瞳が、差し込む光に晒されて鋭く光る。 お前が満足するような褒美なんて、 先生、あげられそうにないなあ。 端正な顔つき、逞しい身体、 温厚でノリのいい明るい性格でありながら、 決して驕ることはなく、誰よりも努力を惜しまない。 皆から信頼され、期待され、 クラスやチームの中心的存在。 そんな誰もが羨む... いや、羨むを越えて憧れを抱いてしまうような、なんでも持っている彼が望むモノなんて、 平凡な俺なんかは持っていない。 それなのに、こんな俺に彼は何を望むのだろうか。 ほんの少しだけ気になってしまった自分もいた。 わざとらしく眉をさげている生徒(かれ)の企みに乗ってやるのも教師(おれ)の仕事...だよな? しかたない......
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