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「もしおまえが、この補習をちゃんと終えたら、
おまえの欲しいもん、ひとつだけあげてもいい。」
先生は、やれやれ..仕方ないなぁ
とでも言うように、わざとらしく肩をあげて
笑った。
簡単に俺の願いを受け入れようとする先生。
俺が欲しいのは、お金で買えるようなモノじゃないんだよ?
補習初日の俺の告白は、無かったことにされていて、俺は苛立つ自分の気持ちを無視できなかった。
ひとつだけ...だけ?
最初からひとつしか望んでないというのに、
だけもくそもない。
男に二言は無いよな...先生?
俺だって、こんなガキくさいお強請りなんてしたくない。それでもどんなことでもいいから、先生の気を引くような言葉を発さなければならないと思ったのが、あたったのだ。
俺はこのチャンスボールを逃してはいけない。
油断した先生の投球を、力いっぱい振り切ってやる。
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