補習3日目

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「もしおまえが、この補習をちゃんと終えたら、 おまえの欲しいもん、ひとつだけあげてもいい。」 先生は、やれやれ..仕方ないなぁ とでも言うように、わざとらしく肩をあげて 笑った。 簡単に俺の願いを受け入れようとする先生。 俺が欲しいのは、お金で買えるようなモノじゃないんだよ? 補習初日の俺の告白は、無かったことにされていて、俺は苛立つ自分の気持ちを無視できなかった。 ひとつだけ...だけ? 最初からひとつしか望んでないというのに、 だけもくそもない。 男に二言は無いよな...先生? 俺だって、こんなガキくさいお強請りなんてしたくない。それでもどんなことでもいいから、先生の気を引くような言葉を発さなければならないと思ったのが、のだ。 俺はこのチャンスボールを逃してはいけない。 油断した先生の投球を、力いっぱい振り切ってやる。
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