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「あと2日の辛抱だからちゃんとやれよ。」
4回目の放課後、2人きりで。
先生はまだ俺の先生でいたいようだった。
少しは意識してくれるだろうだなんて、俺の淡い期待でしかなくて、俺はあのチャンスボールを打ち返すことが出来なかったんだと、バットを突きつけられた。
いつもよりもしっかりと締めてあるネクタイが、まるで俺の侵入を拒んでいるように感じられる。
静かな声で俺に話しかける先生。
その声は温度を持たず、ただ初めからそう設定されていたかのように口が動くだけだった。
っんだよそれ......
先生は俺がいくら波風を立てようが、大人の振る舞いで全てをいなしていく。俺の告白だって、昨日のキスだって全部、全部。
先生の視線を追う。その伏し目は俺を捉えてはいなかった。それが俺はどうしても苦しい。
あぁ、嫌だ。このまま終わりですか?
俺にもうチャンスは巡ってこないんですか?
ねぇ、先生...
せんせい!せんせ!!あんたさほんとに、
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