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「本気だって言ったら、、、先生どうする?」
緊張してます。といわんばかりに、
彼の背中の肩甲骨が、張ったまま固まっていた。
何かをじっと待っている?
待ち堪えているように、動かない。
1段高い教壇から彼の目元が見える。
前髪がないから、
平静を取り繕っていても、
じりじりと彼の目が泳いでいるのが
わかってしまった。
ははっ。わかりやすいな。
可愛い奴。
なんだかいじらしくて、
教卓に前のめりになって、
彼の芝生のような頭を
わしゃわしゃと撫でてしまった。
......かわいーやつ。
......かわいーやつ?
カキーン
再び響く金属音。
今度は一瞬で消えていった。
固まった俺を覗くように
彼が顔をあげた。
突然に目が合って、思わず動悸が立ち込める。
彼の頭に置いたままの左手。
行き場がなくなってしまったなあ......
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