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「今日はこの問題を解けよ。わからないところがあったら聞いてくれ。」
先生は、昨日と同じように教壇に立ち、
俺にプリントを1枚渡した。
2人きりの教室にもかかわらず、
当然のように交わされる先生と生徒の会話。
俺はそれがなんとも悔しかった。
ねぇ、先生。わかりません。
俺にはわかんないよ。
こんな放物線の解なんかよりも、
もっと知りたいことが目の前にあるんだ。
聞いてもいいですか?
昨日の答え。先生の解を。
聞いたらほんとに教えてくれるの?
それが、俺の期待する答えじゃなかったとしたら、
俺は一生この放物線上を彷徨ってしまうのだろうか。
俺の頭を撫でまわした先生の左手は、
あの後、確かに熱くなったのに。
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