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「何だよ?」
「神威のところに行くんですか?」
あぁそうか、大空はさっき俺と綾くんの会話聞いてたから知ってるのか。
「悩み中だ。最近寝不足だから寝たいっつーのもある。飲まされて記憶無くなるのも嫌だしな」
何より、
綾くんに会っても、ときめかない気がする。
今日久しぶりに会えて嬉しかったけど、昔あった恋愛感情とは違う。
「なら、俺の部屋で寝て下さい。神威の身代わりになりますから」
「どういう意味の『寝る』だよ」
「両方」
超絶うぜえ発言だな。
なんでてめぇと寝なきゃいけねぇんだよと思いながら、別に嫌だとは思わない自分がいた。
「まぁ、あっちに参加するのも面倒だしな。それでもいいぜ」
そしてベッドに移動した。
服を脱がせる前に、大空はいつも俺に目隠しをする。
綾くんだと妄想するための手段。
「きつくないですか?」
「…少し緩めろ」
何も見えない状態で、いつも綾くんを想像してたのに。
目隠しが無意味に感じた。
大空が俺を押し倒して、服を脱がせ、キスをする。
「もっと舌出して」
こいつは綾くんが言いそうな台詞でキスをするのに、舌からは酒の味がしない。
綾くんが俺を抱くのは酔っているときだけだ。
だから綾くんとのキスは酒の味がする。
舌を絡める度に微量の酒を感じながら綾くんを感じて。
だから気づいているのに。
目隠しをしていてもこのキスが綾くんじゃないことなんて。
前から気付いてたのに、俺は大空を利用してたんだ―…
そう思いながら、酒の味がしない舌を激しく絡ませ合う。
こいつのキスが上手いのも、住谷まりから教わったのかと思うと切なく感じた。
キスを辞めて、その唇が俺の耳に移動する。
「は、ぁ…」
耳元でピチャピチャという音と快感が重なり、背中がゾクゾクする。
その唇は俺の首筋を吸い付き、鎖骨へと移動し、乳首へと辿り着く。
舌で転がしたり、吸ったり。
「あっ…ん、アッ!」
それと同時に、俺のズボンを下げて硬くなっているモノを取り出した。
乳首を攻めながら、俺のモノを扱く。
「アッ、アァッ…ん、は…アッ」
そして大空は俺のモノを口に含んだ。
モノを扱きながら、亀頭を攻める。
それと同時に、余った手の2本の指を俺の秘部へと挿入する。
2箇所を同時に攻められて、快感が走る。
「アァッ!ん…は、ぁ…アッ!い…イクぅ!」
そして俺は大空の口の中に精液を出した。
もう分かってる。
今俺を抱いているのは、綾くんじゃなくて大空だってこと。
大空を綾くんだと妄想することが出来ていない自分がいた。
そして俺は目隠しを取った。
目の前にいるのは、大空。
分かっていたことだけど。
「あれ、取れちゃいました?」
大空は自分の服を脱いでいて、俺が自分で目隠しを取ったことに気付いていなかった。
再度目隠しをしようとする大空の手を掴んだ。
「早く続けろよ」
「目隠ししなくていいんですか?」
目隠してようがしてまいが、もう大空に抱かれてるのを理解している。
なら必要ないんだよ、こんなもの。
「いいから早く、俺を満足させろよ」
そして目隠しの無いまま、大空は硬くなった自分のモノを俺の秘部に押し当てて挿入した。
「アァッ!ん…」
初めて大空の顔を見ながらセックスする。
大きく引き締まった体、
腰を揺らす姿、
短髪から落ちる汗、
純粋な目、
洩れる息、
全て欲しいと思った。
だから、大空の手を握りしめた。
「あ…ん、アッ、い…イイ!んっ」
大空が俺にキスをしながら激しく突いてくる。
グチュグチュというイヤらしい音が静かな部屋に響く。
ドキドキする。
久しぶりに綾くんに会えた時よりも、胸が高鳴る。
「もっ…と、奥ぅ!アァッ!ん、はぁ」
素直に、必死に腰を揺らして。
―…愛しいと思った。
大空と目が合う。
感情がおかしくなりそうだ。
「見、んな…アッ、ん」
だから俺からキスをしてやった。
どうにかなりそうなこの感情を紛らわせたくて。
昔、綾くんを好きだった時と同じ気持ちだ。
大空を直視できない。
「もっと!あ…は、ん!い…イク!イクぅ!アッ――…!」
「は―…!」
そして俺と大空は同時に果てた。
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