逆愛《嵐side》

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逆愛《嵐side》

「大空まだかよ…時間かかりすぎだ!」 また殴られた。 「…すいません」 生徒会の仕事の処理が遅くて、洸弍先輩に殴られるのが日常茶飯事だった。 最初はあんなに優しかったのに、ここ最近いつもこうだ。 マジで嫌になる。 どうにかして、服従させたい。 「じゃあさ、犯してみればいいじゃん」 「はぁっ!?」 FI学園に出張したとき、FI学園の生徒会長の天野誠に相談した。 誠から返ってきた返事に俺は驚いた。 「犯すってあの洸弍先輩を!?…殺されるだけだろ」 「まぁ、ただ犯すだけなら嵐の死は確定だけど…秘策がある」 カフェテリアの日差しを浴びて、誠はニヤニヤしながらコーヒーを飲む。 「寺伝さんはクリュグが大好きだ」 「…クリュグ?」 「高級シャンパンのこと」 誠は天野グループの御曹司で、寺伝グループと交友があるらしく、洸弍先輩を昔から知っている。 「よく寺伝さんがパーティーで飲んでるのを見かけるんだよ。でも1杯飲んだだけで足がふらついてる」 だからそれは事実なんだろうけど。 あの先輩が? シャンパン1杯でふらつくなんて想像出来ない。 酒は好きなのに、酒に弱いのか。 「つまりそのクリュグを使って先輩を犯せと?」 「ご名答。クリュグなら俺の部屋にあるから持って帰る?」 「なんでそんなもん部屋にあんだよお前」 「秘密」 誠はコーヒーを飲み終えると、席を立ち、自分の寮へと歩き出した。俺もそれについていった。 誠は部屋に入り、冷蔵庫へと向かいクリュグを取り出した。 「そんなに寺伝さんが嫌いなんだ」 「しょっちゅう殴られるし、俺にだけ冷たいんだよ。思い出しただけで鬱になる」 「そうなんだ。はい、プレゼント」 そして誠はクリュグを俺に渡した。 「3杯以上だと寺伝さんは記憶なくなるから、意識あるうちに犯すなら1杯が適量だと思う」 「なるほど。意識ないのに犯しても意味ないもんな」 相変わらず誠は楽しそうにニヤニヤしてる。 こっちはあの洸弍先輩を犯すという、史上重大の使命があるのに。 失敗した時の事を考えただけで身震いがする。 「そこのバス停の近くにあるケーキ屋のタルト買ってけば?そこのタルト寺伝さん大好きだから」 「分かった」 「健闘を祈る。結果報告よろしくな!」 「楽しそうだなお前…」 そう言って誠と別れ、タルトを買ってMY学園に戻った。
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