深海の泥

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 深い深い海の底。一匹の捕食者が一瞬のうちに小魚を丸のみにし、泥を大きく跳ね上げた。泥はそこから波に揺られて、上へ上へと昇っていく。そうして、微かな日の光のかけらを浴びた。  そうしてまた、ゆっくりと闇の中へと沈んでいった。  それは、生と死にも似た。ただの自然だった。
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