『挑戦』という名の告白

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『挑戦』という名の告白

「父さん、母さんちょっと話があるんだけど……いいかな? ねぇちゃんも」 「文彌、どうした?」と純平が聞いた。 真顔で話す文彌に3人はリビングの テーブルに集まる。 「あのさ、俺、この前の日曜日  オーディション受けたんだ」 「オーディション? 誰が? 文彌が?」 と三人が聞き返す。 「うん、俺が……」 「何のオーディションなんだ?」 と純平がまた聞き返す。 「イケメン男子高校生 発掘!  オーディション」 聞いた三人は顔を見合わせ無言になった。 「俺が自分で申し込んだんじゃなくて・友達が、申し込みしたんだけど」 「で、どうだったんだ? そのオーディションは……」  純平の顔が真顔になった。 「その……一次審査の書類選考をパスして、この前の日曜日、2次審査も通過して、来週、 最終審査がある。 00ホールで一般投票とメディア関係者の投票で優勝者が決まる。  正直、遊び半分だったから、ここまで残るって思ってなくて、でも、俺、ちゃんとしなくちゃいけないと思ってて」 「何故そう思ったんだ?」とさらに純平が文彌に聞いた。 「2次審査会場の控室で、隣に座っていた人がいたんだけど、その人が、このオーディションに挑むために色々な努力を重ねていることを知ったんだ オーディションを受けたい理由とか、将来の夢とか話を聞いてるうちに、俺、自分が恥ずかしくなった 俺なんか、たまたま友達が応募して、運よく2次審査まで残れて……だから、ちゃんとした気持ちで臨まないと、他の人たちに失礼だと思って だから、頑張ってみたい 父さん、母さん、ねぇちゃんも見に来てほしい」 と言うと文彌は3人に深々と頭をさげた。 「わかった 真剣に受けるんだな?じゃあ、お父さんとお母さんは応援するよ 由香、おまえもいいよな?文彌のこと応援しても……」 「ちょっと、ビックリしたままなんだけど…… わかった」と由香は答えた。 三人に話を終え、安堵した文彌は自分の部屋に 戻って行った。 コンコンとドアをノックする音が聞こえた。 「文、開けていい?」由香の声に 「いいよ 入ってきて」と文彌が答える。 由香は文彌の部屋に入ると、ベッドの端に座った。 「いや~さっきの話、びっくりしたよ。オーディション受けてたなんて沢山いる中で最終審査まで残れるって、文すごいね!おねえちゃんも応援するから 頑張ってね!でも、文、これからは事前におねえちゃんには知らせてね」 「ごめん、わかったよ ねぇちゃん、 ありがとう 」 由香と文彌はしばらくの間、色々な話をした。  二人はとても仲が良い『姉弟』だった。
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