****年*月

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*  今度こそまぶたを開いた。そこにひどい重みと眠気があって、これは紛れもない現実なのだと風間は確信した。  全身がだるくて、動けない。  ぼんやりとした天井は知らない模様だった。視界いっぱいが白い。朝方だろうか。  ──病院……?  声を出そうとすると、喉が干からびて、ひきつってうまく声が出せない。  だがそんなひとりぼっちの風間の手が、そっと暖かさに包み込まれた。 「風間さん」  視界に現れた顔が泣き笑い、唇がその名を呼んだ。  頬に涙が落ちて、肩に額が触れる。  渚はずっと待っていてくれたのだ。  風間は力を込めて腕を上げ、髪に指先で触れ、抱きしめた。 「渚」  己の在る限りの声を、絞り出す。 「愛してるよ」
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