6人が本棚に入れています
本棚に追加
着いたのはお寺。同じ感じのを宋で観た事あったから、やっぱり近くにはあるんだろうなって思った。中にいた僧侶は3人。全員おじいちゃん。何か色々文句言っててさ、いやお前等はモンクじゃねーだろって。しかもこっちにじゃないの、荷物抱えて泥だらけで事情話してる娘さんにブーブー言ってる。徳低い、徳低いよ。どっかに落としちゃったの?女の子達も委縮しちゃってさ。ここはドッヂの出番かなって感じたよ。ここはドッヂ前に出るよ。子供の頃フォワードだったし。
ドッヂ前でたら僧侶逃げてった、めっちゃ走ってた。元気元気、おじいちゃん丈夫ね。
そんでもって、ここから女の子達とのドキドキ共同生活の始まり。
ドッヂは一部屋、めっちゃ快適。船だと考えられないくらいのプライベート空間。観葉植物とか置いちゃおうかな。葉っぱ癒されるよね、周り森だけど。
ご飯。コメ?好き。腹持ちいいし。これ味付け何?豆っぽい味する。豆好き、タンパク質摂れるしビタミンも豊富。ミソっていうの?保存も効くし味も良いね、大好き。あとは果実ね。ビタミンC摂らないと壊血病になっちゃう。ラム酒ないの?
というかとりあえず言葉だよね。言葉が違うっていうのを理解してもらう為、娘さんに向かって喋りまくった。紙と筆もあったし、ジェスチャーで何とか伝わらないかな。文字みせたらまたビビってんの。可愛い、呪文じゃねーわ。
身体拭いて着替える。前で合わせて紐で縛るやつ。パンツないの?ズボンも?なんか変な感じ。この太めの白い紐は何?
明日から船作んなきゃなーってゴロゴロしてたら、娘さんが入ってきた。何?ナイフとか持ってないよね?警戒しながらも怖がらせちゃいけないと思って笑顔で喋る。疲れてんだけど。したら娘さん。なんか覚悟した顔で服脱ぎ出した。馬鹿じゃない?馬鹿でしょ?だってチェナゴン偉い人なんでしょ?手出したら絶対殺されるじゃん。ダメなヤツじゃん、事案じゃん。
トギ?トギって何?研いでくれるの?ドッヂ自慢の宝刀息子って馬鹿野郎この野郎。
えーやべぇ、船室みんな一緒だったから悶々してたし。頭はダメって言ってるけど、身体はすっかりその気。
これどっち?おれドッヂ。なんちゃってなんちゃって。
ダメダメ、おばぁちゃんも言ってたもん。『いいかい、よくお聞き。相手の抵抗を著しく困難にする強度でなくとも脅迫には該当する。判断能力なんてものは状況や関係性で簡単に失われるし、単に抵抗しなかったというだけで、相手に望まない、不利益を与えるような性行為は強制性交罪として確かに立件しうるんだよ?わかったかい、タカシ』ってさ…
タカシ!タカシナンデ!?
あ、そんな訳で、今日はもう結構です。はっはっはっ、服を着なさい?フロイライン。
なんて紳士的な態度じゃ理解してもらえるはずもなく。とにかく服被せて首振りまくる。それ以上、いけない。
ドッヂはこの女の子達に傷一つ付けてはならない。捕まった時に「そっちが勝手に勘違いしたんでしょ?」では済まなくなる。
そんな色々大変だった初日が過ぎて、起きたら女の子達の態度は少し変わってた。とりあえずドッヂ人は食べないって分かってくれたのかな?娘さんと朝顔を合わせると「オハイオゴジャイマ」と言われた。ドッヂが最初に覚えた現地の言葉。朝の挨拶。
この日から朝晩は女の子と喋り、昼過ぎから夕方までは船を造るための作業をする。女の子達とは一対一にはならない。怖がらせちゃうし、ドッヂの宝刀息子がアレになっちゃうから。
会話の中で現状を知る。
どうやら此処はニポンという国である事。
宋については娘さんがチラッと聞いた事があるくらい。そもそも旅行中だったみたいでここらの事に詳しい訳ではないらしい。地元の子もよく知らないみたいだけど、気象条件が重なると海の向こうに陸はあるからそこかもって。
村へは娘さんが定期的に出向いて上手くとりなしてくれているみたい。女の子達も半分は帰した。本当は男手が欲しいんだけど、忙しいって出してくれないらしい。もしドッヂに殺されるような事になったら、税が納められないって事みたい。カツカツだそうだ。どこも同じ、本当に申し訳ない。
村に下るって話は絶対にノーとの事。ドッヂはタイタンじゃなくてオーガだと思われてるらしい。
そんな感じで、時間だけはたっぷりあるから船の製作は順調。早く出ていかないと村の人に悪い。
最初のコメントを投稿しよう!