25時のシンデレラ

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「残念なお知らせです。4名が出演を辞退しました」  朝食の席でプロデューサーが困惑した顔で皆に報告した。 「エステで一悶着あったの」  美由紀さんが話してくれた。  エステを受けるため順子が施術室に入ろうとすると、後から来た女性が「午後誠さんと会うから先にしてくれ」と言い出した。 「今更エステしたって変わらないわよ。ムダムダ」  順子が言い放った。 「アンタなんていくら顔磨いてもガサツな性格直さなきゃ選ばれっこないわ」  2人が言い争いしているスキに他の女性が施術室に入って行った。 「ちょっと! 私が先よ!」  割り込んだ女性は引きずり出され、そこから3人は取っ組み合いを始めた。止めに入った女性も巻き込まれーー。 「4人は顔が傷だらけになってしまって、それで出演を辞退したそうよ」  行っていたら巻き添えを食っていたかもしれない。真琴は胸を撫で下ろした。  話をして美由紀さんは美しいだけではなく素敵な人だと分かった。帰ってしまった4人を心配し、私達にも気を配ってくれる。こんな人こそ王子様には相応しいと思えた。  それから真琴は美由紀と過ごすようになった。勿論紀香も一緒だ。引き立て役なのは分かっている。それでも敵意剥き出しの他の女性達といるよりはマシだった。  夕食の後美由紀と誠が話をしていた。お似合いだった。胸は痛んだが美由紀だったら仕方がないと思えた。
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