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「でも何で”真人間”なの? 他にも例えがあるのに」
「私が普通の人間だからです」
「普通だから?」
「顔も頭も性格も全て普通。どうせなら普通の中の普通を目指そうと思って。真ん中の人間、だから”真人間”です」
「……プハ……アハハハ!」
誠は笑い出した。
「いや、既に君は普通じゃないよ。面白い。参加してくれた女性の中で一番面白いよ」
「え〜、普通じゃないんですか?」
「残念な事に一番だよ」
「そっか。私にも良い所があったんだ。見つけてくれてありがとうございます」
「じゃあお礼に僕の良い所見つけて」
「え?」
良い所だらけの誠を前にして真琴は悩んだ。そして答えた。
「諦めない所、かな」
「え?」
「殆どの人は東大に入るのも自分で経営するのも諦めちゃうと思う。大変だから。でも諦めないで努力したんですよね。尊敬します」
「……ありがとう」
誠は一瞬目を伏せ、そしていつもの笑顔を見せた。時間いっぱい真琴はデートを楽しんだ。
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