25時のシンデレラ

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「でも何で”真人間”なの? 他にも例えがあるのに」 「私が普通の人間だからです」 「普通だから?」 「顔も頭も性格も全て普通。どうせなら普通の中の普通を目指そうと思って。真ん中の人間、だから”真人間”です」 「……プハ……アハハハ!」  誠は笑い出した。 「いや、既に君は普通じゃないよ。面白い。参加してくれた女性の中で一番面白いよ」 「え〜、普通じゃないんですか?」 「残念な事に一番だよ」 「そっか。私にも良い所があったんだ。見つけてくれてありがとうございます」 「じゃあお礼に僕の良い所見つけて」 「え?」    良い所だらけの誠を前にして真琴は悩んだ。そして答えた。 「諦めない所、かな」 「え?」 「殆どの人は東大に入るのも自分で経営するのも諦めちゃうと思う。大変だから。でも諦めないで努力したんですよね。尊敬します」 「……ありがとう」  誠は一瞬目を伏せ、そしていつもの笑顔を見せた。時間いっぱい真琴はデートを楽しんだ。  
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