25時のシンデレラ

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「えー、恵梨香さんが急用のため昨夜お帰りになりました。今日から9人ですが楽しくやりましょう!」  次の日の朝食でプロデューサーがそう告げた。恵梨香と一緒にいた女性達は気まずそうに俯いていた。 「ノンちゃん、ありがとう。カメラさん呼んできてくれたんだね」 「だって絶対面白いよね。テレビ的に。おお、フルーツ美味しい!」  口の周りを果汁だらけにしながらフルーツを頬張る紀香。天真爛漫とはこの事をいうのかと真琴は紀香を見つめた。  プロデューサーからこれからの予定が告げられた。今後は毎日午前中に1人、午後に1人、誠と過ごす。食事は全員集まって摂るそうだ。  1週間という撮影期間だが王子様と過ごせる時間はそんなにもない事を知らされた。たった半日、その間に王子様にアピールしなければならない。真琴はどうしようかと頭を悩ませた。  でも2人きりになるチャンスがあるのは有り難い。引っ込み思案の真琴は団体行動だったら王子様に近付く事さえ難しい。そのチャンスを活かさなければ。 「わ〜い、暇になったから一緒に遊ぼう!」  紀香が早速誘いにきた。他の参加者達は王子様と過ごす時のためにホテル内にあるエステに行った。真琴も行こうかと思ったが、今更行ってもそう変わるものでもなさそうだ。 「何して遊ぶ?」  ならば精神衛生上紀香と遊んだ方が気が紛れる。そう思い真琴は紀香と過ごす事にした。  紀香の部屋でお菓子を食べながらDVDを観て時間を潰した。
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