AM 9:30

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「くるしい」 「ごめん……本当に、ごめん」 「大袈裟すぎる。てか、見られてるよ」  ふふ、と笑う吐息に愛しさを感じる。  どうすれば良いんだろう、離せない。 「ムカついたんだよ」 「いや、それはこっちの、」 「誰の子供なんだよって」 「今更取り繕わなくても」 「責任でも育休でも何でも取るよ。だから、一緒に居て、ください」  自分の研がれた爪はこんなもんなのか、と呆れてしまう。  背中を撫でられる。その手に、背中を押される。 「愛してる、炭澤」  ずっと言いたかった言葉が出てきて、漸く身体が、心が、軽くなった。
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