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「くるしい」
「ごめん……本当に、ごめん」
「大袈裟すぎる。てか、見られてるよ」
ふふ、と笑う吐息に愛しさを感じる。
どうすれば良いんだろう、離せない。
「ムカついたんだよ」
「いや、それはこっちの、」
「誰の子供なんだよって」
「今更取り繕わなくても」
「責任でも育休でも何でも取るよ。だから、一緒に居て、ください」
自分の研がれた爪はこんなもんなのか、と呆れてしまう。
背中を撫でられる。その手に、背中を押される。
「愛してる、炭澤」
ずっと言いたかった言葉が出てきて、漸く身体が、心が、軽くなった。
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