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団欒
お母さんがお兄ちゃんを居間に連れて行った所で、私ははたと我に返った。
(と、とにかく、この格好をどうにかしなくちゃ!)
そう思った私は出来るだけ足音を立てないように移動して、(別に一軒家なので普段は大きな足音を立てて移動しているのだが、ガサツな女だと思われたくなかった。)自分の部屋に戻った。
服がパンパンに詰まったクローゼットを漁りに漁って、とっておきの可愛い白いワンピースを見つけて、一瞬すごくテンションが上がった。
でも、家族が来ただけなのにこんなに気合が入った服を着たら変だと思われちゃうかも知れないと考えて、服を選び直す事にした。
そうして、ちょっとお洒落なブルーのトップスと、白いパンツを見つけて、この組み合わせならいいかなと思って、慌てて着替えた。
そうして、丁寧に髪を梳かして、これはしようかどうしようか迷ったが、薄く化粧もした。最後に鏡を見て大丈夫かどうか確認して、そのまま居間に急いだ。
そうして、居間に行くとお母さんとお兄ちゃんがいて、それぞれ口を開いた。
「香、どうしたの。急にいなくなったと思ったら着替えたりして。」
「お、さっきの恰好も可愛かったけれど、今は綺麗系じゃん!俺はそっちの方が好みかも!」
私はそんな彼の言葉にドキドキしながら、「もう!お兄ちゃんが急に来たからビックリしたの!お母さんも事前に何時来るか言っておいてくれたら、あんな適当な格好で出なかったのに!」と言い返した。
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