あざとい花実来さんのガチ疑惑

あざとい女・花実来 果恋

　あざとい。
　それは押しの強い、小利口という意味から近年では意図的に異性心理をくすぐる抜け目のない女性を形容する言葉となっている。
　上目遣い、さりげないボディータッチ、巧みな話術、自己演出で自分を可愛く優しくか弱い女性であるように見せかけ、主に異性の好感を得ようとする。
　そして、実際あざとい女性は一部の男性から好印象を持たれているのである。
　あざといという言葉から俺が真っ先に思い浮かぶのは花実来　果恋(はなみらい　かれん)。目立たない程度に茶色が優しい印象を持たせ、肩につくかつかないかの長さは、手に届くか届かないかの親しみを感じさせる。服装は華美ではないが、ワンピースやスカートが多く、パンツスーツも多い会社の中では、やはり女性らしさを感じる。
　目立つほどの美人でも、ずば抜けて優秀なわけでもないが、彼女と話す時、男性社員はみんな目じり下がっている。
　目下のところ、別に彼女の周りにスキャンダルがあるわけでもないので、ほっとけばいいのであるが、そうも言ってられない状況が俺にはある。
花実来　果恋。俺は彼女の指導担当になのだ。