花実来果恋の生きる道

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「ゆ、ゆ、幸村さん」 恥ずかしくて、ベッドの上で正座をして顔を両手で覆う。両手で覆わなければ、幸せが咲き誇りすぎて花びらが落ちてしまいそうなのだ。 「おはよう。キスしてくれても良かったんだよ」 そう言って葉山さんはおでこにキスをし、肩にガウンをかけてくれた。そうだった。顔を隠している場合ではなかった。 「はしたなくてすみません。ところで葉山さ、じゃなくて、幸村さんはいつから起きていたのですか?」 「果恋が俺の胸に顔をうずめる前から起きて、寝顔を眺めていたんだ」 なんと、最初からではないか!独り言を聞かれていただけではなく、どうやって鍛錬してもどうしても口の間から流れてくるよだれも全て見られていたのだろうか。  初日から大失態である。これはホテル顔負けの朝食を作って挽回するしかと思ったが、ここはホテルであった  「朝食はルームサービスにする?」 名誉挽回案を練っている間にも、葉山さん、ではなく幸村さんはさくさくと用意をこなしていく。大好きな葉山さんに喜んでもらうためには、まだまだ鍛錬が必要である。
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