あざとい二人が歩む道

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「こっちが空手道場の損益計算書、こっちが華道教室の損益計算書、そして次が花実来家全体」 「隅っこにいるこの写真は?」 「あぁ、カワウソくんだよ。花実来さんが好きだから書いてみたんだ。ちょっと写実的すぎたかな」 「そっちを本業にしたらどうですか」 「ま、それは置いといてね。やはり見てのとおり花実来家は毎月赤字だよね。まず、それを改善しなくちゃいけない。それでね、まず無駄な支出をカットすることにしたんだ。保険の見直しをずっと行っていなかったらから、この際余分な保険は解約して、電気会社、スマホの会社やプランも見直したよ。あと、車。公共交通機関がそれほどないから車はいらないかなと思ったけど、ほとんど乗ってないそうだね」 「はい、父も母も半径41.195km以内は徒歩圏内です」 2人ともマラソンという競技自体知らなかったのだから不思議である。 「だから車は売却して、もし必要な時はレンタカーを乗ることを勧めたんだ。維持費も浮くしね。家計の方で削れるのはこれるくらいだけど、ここで華道教室をちょっと見てほしいんだ」 前頁の華道教室のページへと移動する。 「華道教室なんだけど、支出がかなり多いのがわかるよね。生花の仕入れ値が高騰していてそれで収益が悪化してるんだ。でもお母さんは月謝を上げたくない意向でね。だからね、廃棄される花を安く購入することにしたんだ。キャンセルされたり茎が曲がってたりとかで売り物にならない花はロスフラワーと言って今まで捨てられていたんだけど、もったいないし悲しいだろう。だからお店にかけあって安く譲ってくれるように交渉したんだ。何店舗もあるからこれで月謝そのままで費用を抑えることができたから収益増加に成功したよ。そして、これで支出が月々12536円浮いたよ」 「私の月々の仕送りとほぼ同じ金額」 「正解」 アニメーションで薔薇の花を咲かせる。飽きないように工夫をするのは花実来さんから教わったことだ。
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