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その後どういう訳だが空も飛べるらしい他の文房具達の力を借りて迎えに来た職人さんに連れられて穴あけパンチは無事帰って行き、私の右手も無事解放された。
その後穴あけパンチはと言うと、私が想像していた以上に手回しオルゴールが気に入っていたようで、職人さんやほかの文房具達の好きな曲を聞いて回っては曲の一説を作り上げ、セロハンテープや職人さんに曲を流してもらっていると言う。そして初心者向けの短い楽譜ではやはり飽き足らなくなったようで、一曲丸ごと作り上げられるような長い楽譜を購入したらしい。
それにしてもあの賑やかなダンスを好む暴君穴あけパンチが一体どんな美しく透き通るメロディを作り出しているのだろう。穴あけパンチの事を見ると未だ反射的に恐怖が湧き上がってくるのは間違いないのだが、それでも近い内に聴いてみたいと思ってしまう。
あれにオルゴールを渡してから長い日が経ったという訳では無いのだが、今度のキノコ島行きの船便で穴あけパンチのオルゴールを聴きに行ってみようか、職人さんに連絡してみよう。
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