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こんな風に動いて喋る穴あけパンチにも実は持ち主が存在する。
穴あけパンチがキノピオ達から顔を奪い、マリオに倒された後日、緑の頭のキノピオが私の元にまでわざわざ謝罪しに訪れたことがあった。
その時に先程の会話の合図をはじめとした色々な話をしたのだが、この方はどうやらオリガミの道では名の知れた職人のようで、この穴あけパンチもそんな職人さんの作品作りを支える大事な道具の一つなんだそう。
なにもこの道具は最初から生き物のように動いたり話したりしていた訳ではないそうだ。職人さん自身もこれが話したり動けるようになったと知ったのは騒動が落ち着いて手元に戻ってきた時、つまり私よりも後の話だったのだという。
昔から持っていた道具なのだからお互いの事を全く知らないわけじゃない、特に文房具の方は意志を持つよりずっと前から私のことを見ていたみたいだからきっと大丈夫だ。と話す職人さんの穏やかな笑顔は私にとって彼の印象を決定付けるものとなった。
ただ穴あけパンチがこんな時間に私の家の前に落ちていた辺りかなり心配ではあるのだが。
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