The City Of Eden

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The City Of Eden

「その男もまた、愛と憎しみの狭間で街を駆る」 トレンド #ミステリー最高49位 ジャンル (レーティング設定 / 未成年の皆さん、ごめんなさい。大人になったら読んでね) ミステリー、ダークヒーロー、バイオレンス系 📖2h30min この作品は、もともと人が悪に墜ちていくのはなぜか、心の内面に迫るのが当初のテーマでした。 そうやって長い時間をかけて、そのテーマに向き合っていると、僕自身が悪に 侵されていくという怖ささえ覚えていました。 これは一人称で、ザクザク悪に至る過程を描いてやろうという構えで仮タイトルも決まりましたが、それが「僕、テロリスト」笑 ちょっと、どころか、だいぶふざけていますが、あの頃は本気だったな。(遠い目)笑 簡単に人に手をかけてしまう精神構造を因数分解して、その根源にある芽をなくす希望が見いだせるか、というライフテーマにしても良いような心理科学的、哲学的アプローチをイメージしていたのですが、構想段階のある日突然に降ってわいた喜劇的キャラクターが頭を離れなくなり、彼を軸にした物語を書きたくなりました。 彼は、ぶっちゃけ何考えているのか分からないエキセントリックな変人さんなので、これを一人称で書くのは難しいし、おもしろくないので、もうエンタメ小説に振り切ってしまうことにしたわけですね。 ただ、強権国家で起きていることを少しでも肌で感じ、人間の本性に潜む悪をあぶりだすような重さを描くことには執着しました。 その結果が、これです。 この物語は、国際的陰謀や人の命を危険にさらすような行為があったわりにポップで、さっぱり風味だった「ハローアゲイン」からの反動で創られた作品です。 今度は、ハードなパンチをかましたい。そういう思いが、このダークな物語を綴る一番のきっかけとなっています。 これを書き上げるのに丸一年と一か月を要しましたが、そのあいだ、生業としている飲食店営業は例の時短営業で、プライベートな時間を比較的捻出しやすかったのが幸いし、完稿に漕ぎつけました。 もっとも、あのような世界観に、自分の頭をどっぷり漬け込んでもいたので、書いていてひどく憂鬱でした。 まあ、世間ではこのことを「自業自得」というのですが笑、まさに物書きの業ともいうべきものですね。 書き上げたのは、まだエブリスタを始める前でした。 物書き仲間の友人らにはこの作品が意外に好評で、以前から誘われていた投稿サイトに参加する踏ん切りがついたのもあるので、僕には記念すべきものでもあります。 ということで、今後ダークな物語を書くときの対処を検討しないとなあ、という課題を残していますね。 いや、ほんま、どーしよ?笑 そういえば、冒頭の市長銃撃シーンについてですが、ちょうどこの作品を書いているさなかに、安倍晋三元首相が銃撃テロに遭って命を落としました。 その理不尽さに憤ると同時に、その事件にインスパイアされてあのシーンを導入し、描いたのだと思われそうなのが、悩みの種になりました。 あのシーンのモチーフは、実はJFK暗殺でした。 落合信彦「2039年の真実」を若かりし頃に読んで以来、僕の頭を離れない悲劇で、あの無念極まりない事件に似たシーンを物語で再現することで、人類の歴史における愚かさというか、醜さを作品内の空気感として通奏低音のように一定の重さを持たせようとした目論見があったのです。 それが安倍晋三元首相の死を弄ぶように読み手さんに映るとしたら、残念極まりない。 そう思い悩んだのです。 「The City Of Eden」 https://estar.jp/novels/26068244
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