90人が本棚に入れています
本棚に追加
私達の出会い
初めて会ったのは十年以上も前でしたか?
その時は私自身自分の気持ちを未だ自覚して無かったんです。
私が特別な想いを抱いているなんて思ってもいなかったでしょう?
そうでしょうとも、私の気持ちなどこれっぽっちも考えたりなんてしなかったでしょうから。
中々素直になれずに、ついつい生意気な口を利いたりして、心とは裏腹な態度ばかり取っていましたからね、私自身十分に自覚はあります。
自分でも分かっては居ても、どうしても素直になれなかったのは、思春期特有の良く有りがちな事と笑ってくれますか?
上手く言えないけど、良くある思春期特有の心の葛藤と思ってくれたら凄く嬉しいけど、それは私の単なる甘えか我儘なのかも知れませんね。
貴方が高校生の時に,生まれて初めて彼女が出来ましたよね。
それはそれは、私にとって落雷に撃たれたようにショックだったのを今でも覚えて居ます。何年も前の事なのに私にとって昨日の出来事のように其れは鮮明に。
私の記憶の引き出しから追い出したい記憶です。忘れたいのに忘れられない青春の1頁なんです。
二人で学校から一緒に帰る姿を何度も見掛けました。そう何度もです。
私の中では、もっとも見たくない光景でしたから目に焼き付いて離れません。
二人で歩く後ろ姿を見て、初めて自分の想いに気づいたのです。自分の中にどす黒い感情が有る事を、二人の歩く後ろ姿を見て、気づいたのです。彼の隣で歩くのはどうして私では無いのかと自問自答しました。
見掛ける度に、二人の後ろ姿を見ながら、独り歯噛していた、醜い自分がそこには居ました。
何度「早く別れろ!」と呪いを掛けた事でしょう。もちろん、その願いも叶う事なく二人は別れませんでした。
あの年頃には一歳差でも大きいけど、四歳違うのは、余りにも大き過ぎました。
最初のコメントを投稿しよう!