黒田さんに物申します

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そう黒田さんに言い切った私はそそくさとその場を離れた其れにしても、何時も塩対応だった私にどうして彼は好意を抱いたのだろうか全く持って不可解だ。 何時も女性から言い寄られてばかりで偶には自分の周りに居ない様な毛色の変わった女に興味を持ったとか?何時も告られるばかりで口説いた事が無いって言ってたし。モテ過ぎるのもホント大変だわ。(モテたことが無い私には、判らないな) 自分に興味を持たないから私を自分に振り向かせたいとかじゃあ無いのかな? 私自身何歳も上の会社の先輩に対して無遠慮に言いたい事を言って。新人の癖して図々しいのも良いとこ。何故か彼には言い易くて、年齢の垣根を越えて話し易いのかしらね。 黒田さんに気持ちを打ち明けられても今の亜香里にはどうする事もできないのだから。 『付き合う』か『付き合わない』の二択で有るならば今は『付き合わない』を選択せざる負えないのだから仕方ない 明日からは、今までとは違い彼から構われる事もないだろう。きっと彼は私と距離を置いて来るだろう。 また穏やかで静かな会社員生活に戻れる。亜香里は、単純にそう思っていたのだ。 そう思っていた私の考えが、どんなに浅はかで甘過ぎた事に私自身全く気づいていなかった。
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