絶望の作り方

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 確かにリョウタの病気は難病だった。しかしそれは特殊な血に合うドナーがいないのが弊害になっていただけで、手術自体は難しいものではないと聞いていた。  ドナーさえ見つかれば……、100%成功すると。  先生は表情を変えずに言葉を続ける。 「リョウタ君の手術はしなかったんだよ。リョウタ君にはこう言っておいたよ。君が、ドナーを拒否した、とね。あの時の彼の顔、君にも見せてあげたかったね。凄く驚き、傷ついた表情を浮かべた後、ただ一言『そうですか』と言っていた。絶望に突き落とされた表情を浮かべながらね。そしてそのまま安楽死を望んだんだ」 「…………」 「同じ死ぬにしても、君と出会い、生きる希望を持たせなければ、こんな悲しい思いを抱えて死ななかっただろうね」 「な……、何故……! 俺の血がリョウタと一致したというのは、嘘だったのか⁉」  半分かすれた声で尋ねる。  先生は少し瞳を伏せ、首を横に振った。
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