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信号が青に変わって、西崎先生が乗った車は目の前を通り過ぎて行った。
横断歩道の向こうでは、懐かしい制服を着た女子生徒二人が楽しそうに話しながら戯れあっている。
あの頃、下駄箱の前でローファーを取り出しながら息を詰めていた幼い自分を思い出す。
何もかも、今となっては過ぎ去ったものだった。
靴擦れくらいで挫けてはいられない、この靴が見合うような大人の女性に、いつかなりたいから。
私は煌めくビジューのついた華やかな靴の踵を履き直すと、青葉が目に染みる並木道を颯爽と歩き出した。
end.
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