最後のカオリ

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「なんと‥‥今日の天気は最高だな‥‥」  やがて奇妙なことが起きようとしていた‥‥。  彼は、その窓の見事な光景を見ながら、その第二楽章に耳を傾けていた。  窓の外では、舞い踊る粉雪に残照が乱反射して、その中央に、和服の女の姿を出現させたのだ。 「ん? キミは‥‥カオリ?」 「そう。あたし、カオリよ」  彼は、その女に見惚(みと)れていた。  昔、彼と親しかった女に、そっくりだったから。  窓外の雪中のカオリは、名前を当ててくれた嬉しさから、機嫌よくダンスをつづける。 「おお‥‥カオリ‥‥。今まで、何処に行ってたんだ‥‥?」
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