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水面に浮いていた水色のリボンは、
やがて水をたっぷり含んで
川の中に沈んでいきました。
ゆらゆらと揺れながら
川の底に落ちた時、
底にいた自転車が言いました。
『おまえも捨てられたのか?』
『僕はみおちゃんの水色のリボンだよ』
『なんだそりゃ。
まあいい。
そんなキレイな水色も、
じきに
俺みたいに泥にまみれて黒くなるさ』
『・・・・』
『俺はもう10年以上もここにいる。
みんな、
捨てられた俺のことなんか忘れたさ』
自転車は悲しそうに言いました。
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