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「はなちゃんのどういうところがかわいいの?」  斜め上を見上げた伊吹は、目がとろんとして妄想の世界へ行っている。 「そうだなぁ。色白でつぶらな瞳でさ。オレを見つけたら、嬉しそうにこっち来てくれるんだよ。かわいいだろ?」 「そうだね」  かわいらしい女の子じゃないか。 「いつも会ったらハグしてあげるんだ」 「ん?」  なんやて⁉︎ ハグ⁉︎ 「勢いよすぎて、一回押し倒されたこともあるんだよね」 「押し倒された⁉︎」  おいおい! 小一で押し倒すとか! 激しいな! 「別れ間際にはさ、離れたくなくて泣くんだよ。だから、『ごめんね、もう帰らないといけないから』って、頭ポンポンしてあげるんだけどね」  何⁉︎ 頭ポンポンだって⁉︎ 好きな人にやってもらうと、女の子はきゅんってなる、「あれ」か⁉︎  伊吹め……。そうやって女の子をいっぱい泣かせてきたのか? 頭ポンポンはずるいだろ! 私だって、好きな子にされてみた〜い! 「オレのほっぺにチューしてくるからさ、『分かった分かった』って言うんだけど、キスの嵐だよ」
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