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私は伊吹の好きな子、はながどんな子か気になって仕方なかった。
小一の分際で、ハグとか? 押し倒すとか? チューとか? 公園でゴロゴロして? お腹見せるとか? 何イチャイチャしてんだ! 最近のちびっ子はー! 私だって全然経験ないのに! せめて私よりも後にしろ!
「ここ、はなんちだよ」
伊吹が慣れた様子でチャイムを鳴らす。表札には「麻生」と書かれてある。
「麻生」……え、待って。もしかしてうちのクラスの麻生くんち? いやいやいや。そんな偶然が、あるわけ……。
と思っていたのに、玄関から出てきたのは、私の大好きな麻生くん⁉︎
「あれ、伊吹じゃん。はな?」
「うん! 遊びに来た」
わーー! まさかの麻生くんちだったー! じゃあ、はなって麻生くんの妹?
「あれ、塩見? 伊吹って塩見の弟?」
「う、うん」
ごめんね、麻生くん! うちの伊吹が妹さんとこんなことに! あぁぁ、本当に申し訳ない!
「伊吹は、いつもはなと遊んでくれるんだよね」
「だってオレ、はなのことめっちゃ好きだもん」
出た! 伊吹のドヤ顔! それにしても姉弟で麻生兄妹が好きだなんて、こんな偶然ある? できすぎてる!
ていうか、これキッカケで麻生くんとお近づきになるチャンスなんじゃね?
よっしゃ! 神様、仏様、伊吹様! お姉ちゃんは全力であなたたちを応援します!
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