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「普通にめっちゃかわいいよ」  うわぁー! なんだその優しさ溢れるまばゆい笑顔! きゅんです! あ、いやいや、本音が。そうじゃなくて、麻生くんはシスコンだったのか! 裸族で、伊吹を噛んだりするような子だよ? かわいいって何? かわいいの定義は!  麻生くんにとってかわいい妹かもしれない。でも伊吹だって私にとってかわいい弟だ。そんな激しい子と恋仲なんて、例え麻生くんの妹であっても、お姉ちゃんは許さないから! 絶対! 先越されたとか、別に羨ましがってるわけではないから! そこは強調しとくから! 「はな、連れてこようか?」 「うん! 早くはなに会いたい!」  よし、どんな子か、お姉ちゃんが見定めたるわ! 「はな〜! 遊びに来たよ〜!」  伊吹が無邪気にはなちゃんを呼ぶ。家の奥からも麻生くんがはなちゃんを呼ぶ声がする。  心臓が早鐘を打つ。私はまだ見ぬはなちゃんに興味をそそられる。伊吹をぞっこんにさせた、麻生くんのかわいくて激しい妹。  玄関のドアがガチャリと音を立てる。ゆっくりとドアが開いていくのと比例して、私の関心度もMAXだ。 「はな〜!」  はなちゃんは伊吹に飛びついた。伊吹ははなちゃんをハグして「よしよし」と頭をなでる。そして頬をペロペロ舐められて「分かった分かった」と伊吹は嬉しそうだった。
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