月夜の下で

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月夜の下で

「貴女の全てを、私に任せて欲しい。必ず、幸せにします」  彼は(ひざまず)き、私の手を取った。  辺りに人はいない。彼の別荘の庭園、美しいバラに囲まれた私はゆっくり首を縦に振る。 「ええ、全てを貴方に……」 「――もし、出逢えていなかったらどうなっていたでしょうか」  優しく抱きしめ、涙ながらに呟く。 「そんなことはないでしょう。必ず神が導いてくださりますわ」 「――愛しています、これからもそして永遠に」  そう誓ったはずなのに――  どうして今は、、にっ――
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