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小説パート2(16)
チョコレートを妹と母に食べられてしまった事を、父に泣きながら言ったら、父は母をきつく叱ったが、妹には何も言わなかった。父は今度また、東京に行ったら、チョコレートを買ってきてあげると僕に約束したが、その約束は未だ、守られていない。
父の勤務先が変わった。僕は転校する事になった。
今、住んでいる所から50km位離れた場所である。
妹が一年生になるまでは、お父さんは単身赴任していた。
僕が五年生、妹が一年生の入学の時に今の家に引っ越しした。
学校は家から遠く、歩いて40分ぐらいかかる所にある。
この学校の校庭の隅に大きなケヤキの木が有る。
樹年が百年以上とも言われている、由緒ある大木だ。
この小学校のシンボルともなっている。
前の学校で僕は同級生から惜しまれながら別れた。
皆んな、笑顔で僕を見送ってくれた。
好きだったミオちゃんとの別れは辛かったが、
ミオちゃんも笑って送ってくれた。
皆んな心では寂しく思っているのであろう。
僕を悲しませるのが嫌だから、笑顔で送ってくれたのだと思うと、僕は嬉しかった。
思い出有る学校から、新たな学校に転校するのは、不安もあるが、新しい友達ができる事に、期待を膨らませた。
この学校は以前の学校より田舎にあるので、生徒の人数が少なく、2クラスしか無い。
僕は五年二組に編入された。勿論、クラスの人達とは初対面だ。
この学校でも僕は人気者になるのだろうと思った。
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