18

1/2
前へ
/57ページ
次へ

18

小説パート2(18) 学校が終わると、帰り道の途中に上田君の家があるので いつも上田君の家に行った。上田君の両親は共働きでいつも、お母さんは居ない。弟が一人いる。 僕は上田君を少しだけ羨ましく思った。お母さんが居ないと楽だ。でも、帰った時に、お母さんが居ないと寂しい。 複雑な気持ちだったが、上田君は何とも思っていないみたいだった。上田君の家には、古い漫画本がいっぱいある。 子供の週刊紙の漫画本だ。巨人の星は無いのかと探したが、 無かった。タイガーマスクはあった。プロレスの漫画だ。 何故こんな古い本があるのかを尋ねると、父親の昔のコレクションと言っていた。無くすと大変な事になるらしい。 触ってもいいが、破かない様に言われた。 僕はそーっと本を取り出して見ると、そこには、僕は知らないが、懐かしい記事が出ていた。 これは、おじいちゃんの記憶である。ここら辺がややこし。僕は全く知らないのに、懐かしく感じる。 複雑な思いである。記事とは、アポロが月面に降りたった事が書いてある。僕が生まれるはるか前のこと、それを懐かしく感じるのである。 変だと思いませんか?
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加