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小説パート2(21) 崎野と僕は睨みあった。この様な時は、先に目を背けた方が、不利になる。僕は睨めっこも得意だ。幼稚園の時に睨めっこ大会で優勝した事があった。 これには、コツがある。寄り目をするのだ。 寄り目をすると、相手の顔がぼやけて見えない。 相手は僕の寄り目顔を見て笑ってしまうのだ。 僕はこれで優勝したが、しかし喧嘩の睨み合いで、寄り目は使えない。僕は凄く恐い顔をして睨んだのだが、何故か崎野は笑っていた。もしかして、僕は条件反射の様に寄り目顔したのかも知れない。 「今日はこれくらいにしといてやるか」と 聞き覚えのあるセリフ(吉本新喜劇のセリフだったかな) を残し、僕の前から去って行った。 やはり僕の強さを崎野は動物的な感で分かったのだろう。 これで、中島君も虐められる事は無いだろうと思っていたが、そんな事は無く今も虐めてられている。 今度こそ決着をつける。僕はその様に思っていた。
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