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小説パート2(23) 新しい学校にも慣れてきて友達も増えた。 特に女の子達が僕に寄ってくる。何でこんなにモテるのだろう。何でも頼みにくる。 今回は検便の回収を頼まれた。僕しか頼む人が居ないと 和多田由香ちゃんが言うのだ。由香ちゃんは女子の学級委員。髪が長く腰まである。いつも三つ編みをしている、頭が良くて綺麗な人である。検便を集めるのは普通は学級委員がする事だが、由香ちゃんは恥ずかしくて出来ないと言っている。上田君も学級委員だが、忙しくて手が回らないらしい。 僕は、人に物を頼まれると嫌と言えない性格なので、 臭いけど検便係を引き受けてしまった。 此の事を、家に帰って夕飯の時に話しをした。 父と母は、「人の嫌がる仕事をするのは、立派な事だ」 と褒めてくれた。妹だけが、僕を馬鹿にする様な目で、 「上手く利用されてるだけね」と小声で呟いていた。 妹の表情が一瞬悪魔の様に見え、僕の背すじに冷たい物が走って行った。 その日の夕飯は、何故かカレーだった。
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