ハイスぺ男子の憂鬱

3/6
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
 何を言い出すんだ! 何を! 迷惑にしか思ってないよ! 「……大事な友達だと思っているよ」 「ふーん。ヒロポンはそう思ってくれてるんだ。それって友達以上恋人未満って感じ?」 「……まあ、そんなところかな」  全然違うけど、以前機嫌を損ねたら、大事にしていたウイスキーの山崎をラッパ飲みされたので、合わせるしかなかった。 「じゃあ、私が誰か他の人と結ばれたらショック?」 「え!? け、結婚っていうこと!? おめでとう! 茜の相手なら聖人みたいに立派な人なんだろうな!」  本音だった。茜と結婚生活を送るなんてダライラマでも難しいはずだ。それにしても、これで茜と完全に縁が切れる。やっとこの日が来たのだ。ママンも喜んでくれるに違いない。  すると、茜が不満げな顔をした。 「何かとても嬉しそうね」 「と、友達の幸せを喜ぶのは当然じゃないか!」  それでも、茜が仏頂面のままなので、仕方なく僕はこう付け加えた。 「……こういうときやせ我慢するのが男だろ?」 「やせ我慢かぁ。ゴメンね、ヒロポン」 「……いいよ。茜が幸せならそれで。こっちこそ気を遣わせてゴメン」  僕はストレスで胃が痛み始めたので、いい加減帰ってもらおうと思った。 「悪い。出張の準備で本当に忙しいんだ。お祝いはまた今度必ずするから……」 「テレビないじゃん。どうしたの?」  腹立つな~! 日本語通じてんのかよ!
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!