第三章 この俺を可愛いと言う彼女

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彼女の唇が俺の頬に触れた。 それは、何が起きたのか分からないあっという間の出来事だった。 俺の目の前でニッコリ微笑む彼女、俺はからかわれているのか。 これでも何人かと付き合ったことがあり、最後までの経験も何度かある。 三年くらいは全くご無沙汰だが、こんなに年下の女性は経験がない。 はっきり言ってどう対応すればいいか困惑しているのが正直な気持ちだ。 しかも真由香さんは好きな彼がいて、お見合いした時断ってほしいと言ってきた。 その後、彼に振られて体調が悪いから診察を希望してきた、でも病院ではなく俺のマンションにくると言って、住所を聞かれた。 お腹が空いたと食事を美味しそうに頬ばり、挙げ句の果ては俺のマンションに泊めてほしいと言い出した。 お父さんに見合いをしつこく勧められ好きでもない人と結婚は出来ないと訴えた。 なぜ俺を頼ったのか皆目見当がつかない、しかも俺を好きだと言い出した。 そしてたった今、頬にキスをされた。
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