第一章 目覚めた気持ち

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「はい、いつも振られてばかりです」 「そうなんだ、私は大我先生が好きよ」 俺は不意打ちに若い女の子に好きと言われて恥ずかしくなって俯いてしまった。 「先生、可愛い、それじゃ、私、もう行くね」 「分かりました」 そしてマンションに戻り、親父に連絡を取った。 「どうだった、可愛い娘さんだっただろう」 「親父、何を考えているんだよ、真由香さんは二十歳じゃないか、俺とは十歳も年の差がある、いくら何でも無理だよ」 「そんなことはないだろう、愛に年の差は関係ない」 「それは燃え上がる二人ならそうかもしれないけど、見合いは無理だよ」 「それなら二十五から三十くらいで頼んでおくよ」 「しばらく見合いしてる暇はないから勘弁してくれ」 俺はスマホを切った。 それから平穏な日々が流れた。 そんなある日真由香さんが俺の診察を希望してきた。 「大我先生、お久しぶり、元気だった?」
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