第一章 目覚めた気持ち

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「はい、真由香さんは彼とうまくいってますか」 「先生、私、振られちゃったの」 「えっ」 信じられなかった、真由香さんは明るく、その場を和ます雰囲気があり、年齢の割にしっかり自分の意見を持っている女性と言う印象だった。 真由香さんは電話口で急に泣き出し、最近睡眠不足だと訴えてきた。 「大丈夫ですか」 「駄目かも」 「神経内科をご紹介しますので、一度最上総合病院にいらして頂けますか」 「大我先生に診察してほしいの」 「すみません、神経内科は専門外なんです」 「ちょっとおしゃべりしてくれたら、気分が良くなるような気がするの、だから今日、先生のマンションへ行ってもいい?」 「俺のマンション?病院へきて頂きたいのですが……」 「先生のマンションには彼女がいるの?」 「いません、俺は付き合っている女性はいないですから」 「それなら決まりね、私のスマホに先生の住所送っておいてね、七時に行くからそれまで帰っていてね」
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