第九章 彼女からのプロポーズ

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「最上、泣かせてどうするんだ」 「いいか、真由香、本人が生きるって強い意志を見せると、病気の方で退散するんだよ、俺が絶対にお前を助ける、確かにお前の病状は難しい、でもな、大丈夫だ、俺が担当医師でありがたいと思え」 真由香は頷いていた。 最上にはハラハラさせられる。 でも、これだけ医者として自信満々な態度を見せられると、患者は安心するかもしれない。 やっぱり患者が家族だと駄目だな。 「俺はもう退散するよ、二人だからってエッチするなよ」 「最上」 最上は病室を後にした。 「大我、ごめんなさい」 「大丈夫だよ、誰だって手術を二回受けるって聞いたら戸惑うよな」 「最上先生に任せればいいの?」 「ああ、大丈夫だよ」 俺は病室を後にした。 真由香の手術を一週間後に控えたある日、真由香に病室にくるように言われた。 「真由香、どうしたんだ」 「大我、一晩だけマンションに帰りたいの、外出許可出して貰えないかな」
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