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彼女を抱きしめてキスをして、彼の事は忘れて俺にしろと言えたら、女性はキュンとするんだろうが、俺はそんな事は言えない。
「先生、先生の部屋に入れて、寒くなってきちゃった」
「すみません、どうぞ」
全く、妄想している場合じゃないだろう。
俺は真由香さんを部屋に迎え入れた。
「広い部屋、先生一人じゃ広すぎるでしょ、私が一緒に住んであげようか」
「それより、彼に振られたって、どう言う事ですか」
「うん、他に好きな子が出来たんだって」
「そうなんですか」
「やだな、先生が落ち込んでどうするの、先生は私を励さなくちゃ駄目でしょ」
「そうですね」
「先生、私お腹空いちゃったな、先生、夕飯はこれからでしょ、私も食べさせて、お願い」
「食欲あるなら、もう大丈夫ですね」
「なんか頭痛い」
「本当に、大丈夫?」
「先生、それじゃ、悪い女に騙されちゃうよ」
俺は二十歳の女の子に翻弄されっぱなしだった。
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